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ラリー・サンダーズがNBAを離れた理由

バックスのPFラリー・サンダーズがNBAを離れる決意をした理由をThe Players’ Tribuneで自ら語った。

サンダーズは4度目のリーグのドラッグポリシー違反による出場停止後しばらく休んでいたのは不安障害、鬱病、気分障害のため入院していたから、と明かした。その後、2月21日にバックスにバイアウトされて正式にチームを去った。「お金のことばかり報道されててあきれたよ。」サンダーズは残りの契約($44ミリオン)の約半分の金額でバイアウトに合意した。

「”and”を忘れないで」The Players’ Tribuneのビデオの出だしでサンダーズは言った。「僕は人であり、父親だ。アーティストであり、ライター、絵描き、ミュージシャンでもある。そして(and )たまにバスケもやる。」人にはいくつもの顔がある、臆病だけど勇敢な時もある、自分はNBAの選手だけどそれだけじゃないんだよ、と、ちょっと疲れたようにも見えるサンダーズは胸の内を語った。入院中に今の自分が何にエネルギーを使うべきか考えた。バスケは大好きだけどほとんどの時間をバスケに取られていて、今の自分にはそこまでの価値を見出せなかった。

今年の始めに一度「ラリー・サンダーズがバスケを辞めたいと言ったらしい」と噂になったことがあった。後日、噂は否定されたけど結局はリーグを去ることになった。サンダーズがバスケを始めたのは高校に入ってからだ。当時6フィート1インチだった身長がバスケ部のコーチの目にとまり、スカウトされた。そこからさらに背も伸び、大学ではチームをNCAAのトーナメントにまで導いた。全体15位でバックスにドラフトされて、今まででは考えられないようなお金を手にした。すると周囲や親しかった人たちからの扱われ方も変わっていった。周りに助言をしたり、ガイダンスをくれる人もいなかった。さらに、プロのNBA選手であるということは「発言の自由が全くなくなるんだ。本当だよ。」もちろん、同じNBAの選手でも問題なくやっている人はたくさんいるし、そこそこ自由に発言をしていると思われる選手もいる。コービーのようにバスケにすべての時間を費やしたいから友達や遊びに費やすのはもったいない、という極端な例は置いておくとしても、絵や文章を書いたり、その他多くのことに興味を持ち、おそらく繊細なサンダーズにはリーグにいることがやがてストレスやプレッシャーになっていった。

そのストレスから来る不安障害のためにカナビス(大麻)を使用した。アメリカ50週州のうち大麻が完全に禁止されているのは23州で、実に半分以上の州が何らかの形で大麻を認めている。4つの州では売買・所持・栽培、共に合法化されており、多くの州では医療用に認められている。サンダーズの場合、医療用に利用していたことになる。ただ、サンダーズのいるウィスコンシン州では大麻は禁止されており、もし合法な州にいたとしてもNBAでは禁止されているため、出場停止処分になった。

「僕にとっての幸せは、愛する家族との関係にこそある。幸せは金の扉の向こう側にあるんじゃない、自分の中にあるんだ。」NBAという世間に注目される場で、普通の人には考えられない金額を稼いでいるから「辞める」というと馬鹿だ、信じられない、と言われる。「でも本当に自分のやりたいことをできずに毎日会社に通う人となんら変わらないんだ。安定した生活を手放すのは怖いけど、「もしも」と思いながら生きるのはもっと怖い。」私も同じように思って昨年勤めていた会社を辞めたので、サンダーズの気持ちがよくわわかる。彼のファンは残念に思うだろうし、多くの人にはこのビデオを見ても理解されないかもしれない。でもPlayers’ Tribuneに寄稿したよ、というサンダーズのツイートに「がんばってね!」「シェアしてくれてありがとう」「これからも応援してます」というコメントがたくさんついていてちょっとホッとした。今後はポジティブなことにエネルギーを注ぐことが楽しみだ、と言うサンダーズが心から幸せだと思える環境でやりたいことができるといいな、と思う。

 

 

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