Download!Download Point responsive WP Theme for FREE!

ビールのB – NYC編 –

10月の頭、NBAのプレシーズンが始まった頃に10年以上ぶりにNYを訪れた。目的はMSGでニックスを見ることと、NYのビールシーンを体験すること。なぜなら B-BALL MUSE のBはバスケだけではなくビールのBでもあるから。

Top Hops

チャイナタウンにある鍋屋さんの順番を待つ間にLower East Side にあるTop Hops に寄ってみた。お店を入ると手前に立ち飲みスペース、真ん中にバー、そして奥には冷蔵庫があり、バーと冷蔵庫のどちらからでもビールが選べるようになっている。バーには20タップ、冷蔵庫はいくつもあり、ビールの種類も豊富でブリュワリーの土地別に分けられていた。NY以外のビールも色々試したい場合にはちょうどいいと思う。週替わりでビールの種類等について学べるクラスも開催されているそう。

94 Orchard St, New York, NY 10002

tophops.com

City Hops

まだ蒸し暑さの残る十月のセントラル・パークを少し散歩した後に、小雨が降ったり止んだりする中20ブロックほど歩いたところ、さすがに一休みしたくなりアッパー・イースト・サイドにある City Hops へ。小さな店内にバーと冷蔵庫が両方ある。通りに面したカウンターに腰掛けて外を見ると Roosevelt Island Tramway というロープウェイの駅がちょうど見えた。1976年に開業した通勤用のロープウェイだそうで、イースト・リバーを越えてマンハッタンとルーズベルト島を結んでいる。疲れた足を休ませつつ、窓の外で行き来するロープウェイや、タクシーを捕まえようとするニューヨーカーをぼんやり眺めながらビールで一息ついた。そのうち夫がバーテンダーと話し始め、LAから来たことや今夜ニックスを観に行くことなどを話すと、マイク(バーテンダー)もLA に行った時に訪れたブリュワリーやNYのクラフトビール事情について教えてくれた。マイクお勧めのブリュワリーやビアバーと、自分が事前にYelpを駆使して調べた場所の答え合わせをして脳内で予定を調整。ちなみにその晩はレッドソックス対ヤンキーズのプレイオフ試合がヤンキースタジアムであり、プレシーズンのニックスはやめてそっちを観に行けば?と冗談半分に言われた。

1145 2nd Ave, Ground Fl, New York, NY 10021

City Hops on Untappd

The Jeffrey Craft Beer & Bites

City Hopsから目と鼻の先にあったので次に寄ろうと思っていたところ、マイクにも勧められたので2nd Ave. を渡って The Jeffrey へ。入り口がふたつあり、店の片側は午前中はコーヒー類を出しているらしい。薄暗い店内は手前にバー、奥にはテーブル席と屋外のパティオがある。バーに座ってビールを頼むとアイリッシュ訛りのバーテンダーが対応してくれた。30タップとビールの種類も豊富だけどそれ以外にもワインやカクテル、ウィスキー等色々揃っている。小腹がへったのでメニューを見ると、美味しそうなサンドイッチ(の説明文)に心動かされそうになった。残念ながらそこまで食べられそうになかったので Red Devils という赤ビーツと酢漬けにされたゆで卵のデビルドエッグと、パプリカとトマトとアンチョビのマリネがバゲットに乗った Boquerones を頼んでみた。どちらも美味しかったのでますますサンドイッチが気になった。また来ることがあったらお腹を空かせて来ようと思う。

311 E 60th St, New York, NY 10022

thejeffreynyc.com

The Ginger Man

次はプレシーズンのWAS対NYKをMSG で観るためミッドタウンへ向かった。試合までまだ時間があったので、これまた City Hops のマイクに勧められた The Ginger Man に行ってみることにした。「普段の平日はスーツ姿のビジネスマンで賑わってるけど今日は月曜日の祭日(コロンブス・デー)だし空いてるかもしれない、行くなら今日」と言われた通り、店内は程良く空いていた。NYCで最多かは分からないけどタップ数が72もあるそうで、混むのも理解できる。店内は広く、奥にはソファなどのあるラウンジもあって全体的に重厚な雰囲気が漂っている。LAのビアシーンにはなかなかない雰囲気が良かった。

11 E 36th St, New York, NY 10016

gingerman-ny.com

Proletariat

NY滞在中に唯一2度訪れたのが St. Marks Place にある Proletariat。こぢんまりとして暗い店内の壁には小さな額に飾られたビンテージ・タトゥーのデザインが一面に飾られている。タップ数は12と多くはないものの、NYや東海岸のブリュワリーを中心に厳選されたビールがバランス良く並ぶ。こだわりを持ったビールオタクが選んでるんでるんだろうな、と一番実感したお店だった。元々は常連だったというバーテンダーが嬉しそうに自分のお気に入りビールについて熱く語ってくれた。ビール談義に花を咲かせ、ここでもLAから来たことを告げると、こちらから尋ねる前に紙とペンを取り出してNYで行くべきブリュワリーやバーを次々と書き始めた。以前テキサス州オースティンに行った時もバーで出会った人が行くべきブリュワリーやバーを紙ナプキンに書いてくれたことを思い出した。ビール好きの人たちの良いところは、同じくビール好きに出会うと美味しいビール情報をどうしても共有したくなっちゃうところだと思う。

102 St Marks Pl, New York, NY 10009

proletariatny.com

TØRST

NYでブリュワリーやビアバーのお勧めを聞くと必ず名前が挙がっていたTØRST。ブルックリンの Greenpoint にあり、店内はモダンな雰囲気。タップ数は21で、Evil Twin を筆頭に東海岸のビールが並ぶ。ボトルリストも数ページに渡っていてレアなビールが見つかりそう。食事も美味しそうで食べられなくて残念だった。ちなみに平日はランチ・スペシャルで食事を頼むと特定のビール(8オンス)が無料になるらしい。オシャレなグラスの模様は実は目盛りになっているらしく、それぞれ 5、8、14オンスを簡単に測れるようになっている。

TØRSTはお店のデザインもだけど店名からして北欧…デンマーク?ビールでデンマークといえば… と思っていたら、どうやら Evil Twin Brewing (の奥さん)が始めたお店だったらしい。Evil Twin Brewing は日本にも店舗のある Mikkeller の双子の兄弟が始めたブリュワリーで、二人の間には確執があることはクラフトビール界隈では有名な話だ。それまで自分のブリュワリーを持たず、他のブリュワリーに委託醸造するいわゆるジプシー・ブリュワリーだった Evil Twin Brewing はブルックリンにブリュワリーをオープンするらしく、それに専念すべくTØRST は別のオーナーに引き渡したそう。後日調べてみて、実は Mikkeller もクイーンズにあるNY Metsの本拠地であるシティー・フィールドに大規模なブリューパブを今年オープンしていたことを知った(ちなみに Mikkeller も最近まではジプシー・ブリュワリーだった)。双子のビーフはNYでも健在のようだ。

615 Manhattan Ave, Brooklyn, NY 11222

torstnyc.com

Other Half

ブルックリンの Red Hook にある Smith-9th St. の駅は見晴らしが良く、マンハッタンや自由の女神も遠くに見える。 駅から徒歩5分の Other Half Brewing はスクラップ工場が近くにある高架下のインダストリアルな一角にあった。ブリュワリーが近づいてくるとビールを醸造する香りが漂ってきた。ブリュワリー直営のタップルームの奥には醸造タンクが見える。スマホの電池が限界に近づいていたので壁の電源が使えるようになっていたのはとてもありがたかった。充電をしつつテイスターサイズのビールをいくつか頼んで飲み比べ。20タップのうち多くはIPA が占めていて、IPA好きには嬉しいライナップ。私が行った時はラクトース(乳糖)入りのIPAがいくつかあって、ヨーグルトの様なほのかな酸味が感じられて美味しかった。

195 Centre St, Brooklyn, NY 11231

otherhalfbrewing.com

KCBC (Kings Country Brewing Collective)

NYのビアバーでよく見かけたKCBCのビール。ブリュワリーは Other Half 同様ブルックリンにある。駅からブリュワリーに向かって歩いて行くとビギーの壁画に迎えられた。ここでも醸造中のビールの香りを辿ってKCBCに到着すると、ちょうどブリュワー組合の会合が行われていた。タップルームの角に席を見つけ、テイスターをいくつか注文した。タップは12個あり、色んな種類のビールがバランスよく並んでいたのでお気に入りを見つけやすいんじゃないかと思う。

381 Troutman St, Brooklyn, NY 11237

kcbcbeer.com

Grimm

NY最後のストップは数人に勧められて気になっていたGrimm。ジプシー・ブリュワリーとしてビールを作ってたカップルが今年の夏オープンしたそう。クラフトビール界隈にはあまり見ない感じの雰囲気のお洒落なタップルームは人で賑わっていて、テーブルのすぐ向こうにはタンクが並ぶ。独特のアートが施されたTシャツやグッズも素敵だった。後で調べるとGrimm夫妻は元々音楽やアートをやっていたそうで納得。ベルギービールに魅せられたとだけあってその影響がありつつも独自の味を作り出していて各所で勧められたのもよく分かる。サワービールが美味しかった。

990 Metropolitan Ave, Brooklyn, NY 11215

grimmales.com

おまけ

マディソン・スクエア・ガーデンとラッカー・パークも訪ねてちゃんとバスケのBも満喫しました